2016.07.06|駐日ネパール臨時代理大使の日高町視察

7月6日、駐日ネパール大使館のガヘンドラ・ラジュバンダリ臨時代理大使が視察にいらっしゃいました。

異国での挑戦に対する母国の期待

約5haの土地でタマネギを生産している

視察は、今年から広富地区でタマネギ生産を開始したギリ・ビシュヌさんの日本での取り組みがネパールで話題となったことから実現したもので、同氏が代表を務める農業生産法人「合同会社エコ・ハート」が運営するタマネギほ場のほか、同地区で酪農を営む倶里夢牧場や、清畠地区でほうれん草を生産する小石川さんのハウス等も視察しました。

ほ場では、ギリさんがタマネギの生産についてや現状と今後の説明をすると熱心に耳を傾けるとともに、作業中のネパール人スタッフにも大使自ら話しかけるなど高い関心を寄せていることが伺えました。

ギリさんは、タマネギ生産が終わる秋以降は、タマネギの育苗に使ったハウスを利用したほうれん草の生産を計画しており、このような取り組みに大使は「将来的には、ネパールの農業者がここで技術を習得し、ネパールの農業に還元する人材育成のような働きも担ってもらえれば」と期待を込めて語っていました。

地域内での連帯にも期待

牛舎で説明する高藤代表(右)と大使

次に訪れた倶里夢牧場では、常時330頭を搾乳する酪農の現場を視察。見たことのないミルキングパーラーを使用した搾乳体制に感動した様子で「このような技術もネパールには必要であり、同時に扱える人材育成も必要」と述べたうえで、高藤さんに受け入れできる体制があるかあるかどうかを聞くなど、ギリさんの取り組みを通じて人材交流や技術交流へ発展することにも期待を寄せているようでした。

播種機の説明をする小石川さん

最後に訪れたのは清畠地区でほうれん草を生産する小石川さん。ここでも大使は、小石川さんに対して生育方法や選果方法、また流通事情の悪いネパールの現状からか、なるべく鮮度を保つ方法や手段について熱心に聞いていました。

小石川さん自身もまだ就農3年目ですが、すでに19棟のハウス(20棟目を建築中)を使用してほうれん草などを生産する意欲的な新規就農者です。ギリさんが計画している冬期のほうれん草生産は小石川さんの技術指導のもとで行われる予定となっており、自身の生産だけでなくギリさんの挑戦に対する協力にも意欲的な小石川さんに対し、大使は「できるかぎりの協力をお願いしたい」と述べられ視察は終了となりました。

最後に視察した小石川さんの施設前にて記念撮影